肩石灰沈着性腱炎 肩関節鏡 治療

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武田整形外科 武田 浩志

肩石灰沈着性腱板炎とは

石灰沈着は腱板の加齢による変性と、ホルモンの影響によりできると考えられています。30-60歳の女性に多く発生します。 症状は耐え難い肩の痛みがきっかけがなくやってきます。 痛みが強くなると何日も夜眠れないほどになり、また肩の挙上ができなくなります。 治療は保存治療(消炎鎮痛剤の内服、座薬や注射など)で治癒することが多いのですが、 痛みが慢性的に続いている場合や症状が強い場合は関節鏡による治療の選択もあります。

五十肩との関連

石灰沈着性腱炎は急性期の激痛が消失したあとにも関節の固さが残り、関節の拘縮(関節可動域の低下)を起こし五十肩と同じような状態になることもあります。

肩石灰沈着性腱炎の病態

肩 石灰沈着性腱炎

左の図は石灰沈着物質が棘上筋腱に生じた例を示しています。通常石灰沈着物質は腱板の深層より表層にできます。腱板の深層はほとんどの場合の残存しており、 腱板の完全断裂を合併していることはきわめてまれです。


肩石灰沈着性腱炎の関節鏡所見

肩関節鏡 石灰沈着性腱炎

肩関節鏡所見

左の肩関節鏡画像は棘上筋にできた石灰沈着です。白く盛り上がった部分として観察されます。簡単に見つかりそうに思われますが、 表面上わずかな変化としてしか現れない場合があり、レントゲン上の位置を関節鏡で正確にイメージできる多くの経験が必要です。


肩石灰沈着性腱炎の関節鏡による治療

肩関節鏡 石灰沈着性腱炎 肩関節鏡 石灰沈着性腱炎

関節鏡視下掻爬

肩関節鏡で白い石灰物質を除去しているところです。石灰沈着は堅いチョークの粉のような状態であり、腱板にこびりついていますので専用の機械 (シェーバー)で取り除いています(左図)。取り除いたあとは一部クレーター上に腱板に穴が開く形になりますが、 これは外傷性の損傷の場合と異なり、 自然と修復されほとんどの場合縫合を加える必要はありません(右図)。


治療効果

石灰沈着性腱炎 術前

術前レントゲン

棘上筋の大結節への付着部付近に白く映っているのが石灰沈着です。
石灰沈着性腱炎 術後

術後レントゲン

術後石灰沈着は消失し症状も再発はありません。石灰沈着が確実に取れると治療効果は速やかに認められほとんどの場合1-2週間以内に肩の挙上は可能となります。 リハビリは自分で肩を動かすストレッチを行ってもらいます。入院期間は通常は数日となります。