肩石灰性腱炎
原因
石灰沈着は腱板の加齢による変性と、ホルモンの影響によりできると考えられています。30-60歳の女性に多く発生します。
症状
症状は耐え難い肩の激痛がきっかけがなくやってきます。 痛みが強くなると何日も夜眠れないほどの夜間痛が続いたり肩の挙上ができなくなります。
治療
多くの場合は注射(エコーガイド下も有用)、消炎鎮痛剤の内服等で治癒することが多いのですが、 症状が慢性的に続く場合は関節鏡による治療も選択の一つになります。
五十肩との関連
石灰沈着性腱板炎は急性期の激痛が消失したあとにも関節の固さが残り、関節の拘縮(関節可動域の低下)を起こし五十肩と同じような状態になることもあります。
肩関節鏡所見
肩関節鏡画像は棘上筋にできた石灰沈着です。白く盛り上がった部分として観察されます。
関節鏡視下掻爬
肩関節鏡で白い石灰物質を除去しているところです。石灰沈着は堅いチョークの粉のような状態であり、腱板にこびりついていますので専用の機械 (シェーバー)で取り除いています。
術前レントゲン
棘上筋の大結節への付着部付近に白く映っているのが石灰沈着です。
術後レントゲン
術後石灰沈着は消失し症状も再発はありません。石灰沈着が確実に取れると治療効果は速やかに認められほとんどの場合1-2週間以内に肩の挙上は可能となります。